ファクタリングで困ったら 弁護士に相談する前に知っておくべきこと

ファクタリングで困ったら 弁護士に相談する前に知っておくべきこと

経営資金が必要な状況で検討されるファクタリング。しかし、契約時から支払完了までの期間、トラブルが発生しないとは言い切れません。もし、トラブルに巻き込まれてしまった場合、弁護士の力は経営者を守る重要な盾となってくれるでしょう。

今回は、経営者として知っておくべき弁護士との関わり方、そして万が一の際の対処法について解説します。

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ファクタリングと弁護士の関係

ファクタリングと弁護士の関係

昨今、ファクタリングはビジネスの世界において、資金調達手段の1つとして注目されています。ファクタリングの仕組み自体は一見シンプルに見えるのですが、実際にはトラブルに巻き込まれる可能性を多く含んでいるのです。

トラブルを未然に防ぎたい場合、すでにトラブルに巻き込まれてしまった場合は、弁護士の存在が経営者の強力な味方となってくれます。

ファクタリングの定義

そもそもファクタリングとは、売掛金や請求書を買い取ってもらうことで、即座に資金化できる方法です。銀行融資と異なり審査が比較的容易で、手続きも迅速に進められます。

資金繰りに困った経営者にとって、救いの手となる選択肢といえるでしょう。また、借入ではないため、負債として計上されず、決算書への影響も限定的となります。

ただし、手数料が銀行金利より高めになる点は留意が必要です。

ファクタリング契約の特徴

多くの企業経営者にとって、契約書の中身は理解が難しい部分が多くなります。専門用語が並び、重要な条件を見落としやすい構成になっていることもめずらしくはありません。

ファクタリング契約の際は、手数料率や支払期日、遅延損害金など、経営に直接影響する条件が数多く含まれます。契約書の中身を把握しないまま署名すると、後々大きな問題に発展するリスクがあることを忘れてはなりません。

契約内容が不透明なまま進めると、想定外の費用負担や取引条件の変更など、経営を圧迫する事態に直面する可能性も出てくるため注意が必要です。

ファクタリングで弁護士が関わる場面

弁護士は契約書作成の段階から経営者をサポートすることが可能です。経営者目線で不利な条項がないかチェックし、必要に応じて条件交渉も行ってくれます。

ファクタリング会社に対しては、法的な知識を活かして経営者が不利にならないよう、契約条件の見直しや支払い条件の変更などの交渉を任せられます。

もし問題が発生した場合には、民事訴訟や調停など、法的手続きのサポートも可能です。経営者一人では対応が難しい専門的な手続きも、弁護士が代理人となって進めてくれるため安心です。

弁護士に相談すべきケース

弁護士に相談すべきケース

経営者がファクタリングを活用する場合、様々なトラブルに遭遇する可能性があります。

以下では、弁護士への相談が推奨される具体的なケースについて解説します。

契約内容に関するトラブル

手数料の計算方法や支払期限など、具体的な契約内容におけるトラブルが発生した場合は、弁護士への相談を検討しましょう。

弁護士は、契約書の文言を法的に分析し、経営者の権利を守る解決策を提示してくれます。また、必要に応じて契約書の修正や再交渉についても対応してもらうことも可能です。

事業継続に支障をきたさないよう、経営者の意向を最大限尊重しながら、迅速かつ現実的な解決策を探ってくれるでしょう。

債権回収に関するトラブル

売掛金の回収が予定通り進まないケースも発生します。たとえば、支払い遅延や支払い拒否など、様々な事態に直面する可能性があります。

そんな時、弁護士には債権回収について相談・依頼することも可能です。内容証明郵便の送付から支払い督促、そして訴訟提起まで、状況に応じた手段を講じてくれるでしょう。

また、経営への影響を最小限に抑えながら、債権回収を実現する方法について的確なアドバイスをしてもらえます。相手先との交渉はもちろん、必要に応じて法的手続きへの着手など、トラブルを解決すべく経営者の代わりに動いてくれるでしょう。

ファクタリング会社との紛争

ファクタリング会社との関係が悪化するケースもあります。手数料の追加請求や契約条件の一方的な変更など、予期せぬ事態が発生した際は、弁護士への相談を検討すべきです。

弁護士は、不当な要求には毅然とした態度で対応し、必要に応じて法的手続きも視野に入れながら経営者の権利を守ってくれます。

頼れる弁護士の選び方

頼れる弁護士の選び方

ファクタリングに関する問題解決には、信頼できる弁護士に相談・依頼したいものです。

以下では、経営者として知っておきたい、適切な弁護士選びのポイントについて解説します。

専門知識をチェック

ファクタリングは金融取引の一種です。

よって、金融関連の法律知識や実務経験が豊富な弁護士を選ぶ必要があります。たとえば、事業再生や債権回収の実績がある弁護士事務所は、ファクタリングに関する相談も安心して任せることができます。専門分野として金融取引を掲げている事務所も候補の1つです。

また、士業を取り扱っている専門家検索サイトであれば、取扱分野や専門性を確認するのも効果的です。経営者にとって心強いパートナーとなる弁護士を探してみましょう。

経験値を確認しよう

実際の相談や依頼を行う前に、弁護士の経験値を確認することが大切です。ファクタリング関連の相談実績や解決事例について、あらかじめ確認しておくのが良いでしょう。

具体的な成功事例や解決実績があれば、より信頼性の高い判断材料となります。

事務所のウェブサイトや初回相談時に、実績について質問してみるのも良いでしょう。

類似案件の処理経験が豊富な弁護士なら、効率的かつ的確な問題解決が期待できます。

費用面で納得できる?

弁護士に相談・依頼をするとなれば、どうしても費用負担は避けられません。弁護士に対して支払う着手金や報酬金など、費用体系を事前に確認することが大切です。

とはいえ、昨今は初回相談料が無料の事務所も増えています。気軽に相談できる環境が整っているかどうかも、選択の基準の1つです。

また、分割払いや成功報酬型など、柔軟な支払い方法に対応している事務所もあります。

経営状況に応じた費用プランを相談できる弁護士を選ぶのがおすすめです。

相談しやすさと信頼感を大切に

初回相談時の対応は、弁護士選びの重要な判断材料となります。経営者の話に耳を傾け、状況を理解しようとする姿勢があるかどうかが重要です。

また、事務所の雰囲気や対応スタッフの印象も、長期的な関係構築には欠かせません。質問や疑問点に丁寧に答えてくれる、そんなスタッフがいる事務所が理想的といえるでしょう。

その他にも、定期的な連絡や進捗報告など、コミュニケーション面での配慮も重要です。

経営者として、安心して相談できる関係性を築けるかどうかを見極めましょう。

まとめ

ファクタリングを活用する経営者にとって、弁護士の存在は心強い味方です。契約内容の確認から問題解決まで、様々な場面で専門的なサポートを提供してくれます。トラブルが発生した際には、早期の弁護士相談が問題解決の近道です。

弁護士選びにおいては、専門性や経験値、費用面での納得感、そして相談のしやすさを総合的に判断することが大切です。経営者の権利を守り、適切な問題解決をサポートしてくれる弁護士との出会いが、事業継続の強力な後ろ盾となってくれるでしょう。

この記事を書いた人

自らの経験に基づいた、ファクタリングや与信管理に関する豊富な実績を持ち、これまでに数百社の取引をサポート。
当メディアでは企業の資金繰りに役立つ情報発信を行うとともに、中小企業向けにファクタリングのアドバイザリーサービスも提供しています。

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