ファクタリングには売掛金を早期に現金化できる利点がありますが、審査に落ちるケースも少なくありません。
本記事では、ファクタリングの審査に落ちる主な理由や、審査通過のための効果的な対処法をご紹介します。審査のポイントを押さえ、成功率を高めるための実践的なアドバイスをお届けしますので、ぜひ参考にしてください。
ファクタリングの審査基準
ファクタリング審査の基準は一般的な融資とは異なります。売掛金という特殊な債権を扱うため、独自の審査ポイントが存在します。審査基準について詳しく見ていきましょう。
売掛先の信用度
ファクタリング会社にとって、売掛先は最終的な支払者となるため、売掛先の財務状況は極めて重要な審査項目です。売掛先の経営状態が良好であることや、債務不履行のリスクが低いことに大きく影響されます。
一方で、売掛先の業績が振るわない場合や倒産リスクが高い場合は、審査が厳しくなる可能性があります。
ファクタリング利用者の信用度
ファクタリング利用者の信用度も審査対象です。企業の経営状態、資金繰りの健全性、過去の取引実績などが総合的に評価されます。
特に、ファクタリングを初めて利用する企業に対しては、審査がより慎重に行われる傾向があります。これは、取引実績がないため、企業の信頼性を判断する材料が限られているからです。
売掛金の支払期日
ファクタリングの対象となる売掛金の支払期日も重要な審査ポイントです。一般的に支払期日が短いほど審査は通りやすくなります。
支払期日が2ヶ月以内の売掛金が望ましいとされており、3ヶ月以上先の長期の売掛金は審査が厳しくなる可能性が高くなります。
ファクタリングの審査に落ちる主な理由
ファクタリングの審査に落ちる理由はさまざまです。主な原因を把握しておくことで、対策を講じましょう。
売掛先の経営状況に問題がある
売掛先の業績が悪化している場合、審査に通りにくくなる傾向があります。例えば、決算書の数値が思わしくない場合や、信用調査会社による評価が低い場合などです。
売掛先企業の業績不振は、支払いの遅れや債務不履行のリスクを高めます。売掛先の経営状況が芳しくない場合には、審査基準がより厳格になるでしょう。
売掛先が個人事業主である
売掛先が個人事業主である場合、法人の場合と比べて審査を通過しにくい傾向があります。個人事業主は一般的に法人よりも財務基盤が弱いと考えられ、事業の継続性や安定性に不安があると見なされるためです。
しかし、全ての個人事業主が一律に審査で不利になるわけではありません。例えば、長年にわたる安定した取引実績がある場合や、事業の規模が大きく、安定した収益を上げている場合は例外となる可能性があります。
売掛先からの入金までの期間が長い
売掛金の支払期日が遠い将来に設定されている場合、審査は厳しくなります。ファクタリング会社にとって、支払期日までの期間が長くなればなるほど、回収のリスクが高まるからです。
2ヶ月以内の支払期日が望ましく、6ヶ月以上先では長期にわたり資金が回収できないリスクが高まるため審査に通りにくいでしょう。
売掛債権の金額がファクタリング会社の条件を満たしていない
各ファクタリング会社では、設定している取扱金額の範囲が異なります。最低金額を下回る場合や、上限金額を超える場合は審査に通らないケースがあります。
ファクタリングを検討する際は、事前に利用を考えているファクタリング会社の取扱金額の範囲を確認することが非常に重要です。自社の売掛金の金額が、範囲内に収まっているかを確認し、条件に合致する売掛金を選んで申し込むようにしましょう。
不良債権である
ファクタリングの審査で特に注意が必要なのは、支払いの遅れが生じている売掛金や、回収が難しいと予想される不良債権です。
ファクタリングを利用する際は、できるだけ健全な債権を選んで申し込むことが大切です。支払いが滞りなく行われている売掛金や、信頼できる取引先との取引から生じた債権などを選びましょう。
二重債権の疑いがある
すでに他社へ譲渡済みの売掛金や、担保設定がなされている債権は「二重債権」のリスクがあるため、ファクタリング会社は取り扱いません。
申込前に売掛金が他社に譲渡されていないか、担保設定がないか、他の契約がないかなどをチェックしましょう。
取引実績がない、浅い
売掛先との取引実績が浅い場合や、新規の取引先である場合は審査が厳しくなります。継続的な取引関係がないため、支払いの確実性が低いとみなされるからです。
長期にわたる取引実績がある売掛金を優先的にファクタリングの対象とすることで、審査通過率を高めることができます。
利用者の信用度が低い
ファクタリングを利用する側の経営状態が悪化している場合や、過去に金融取引でトラブルがあった場合は審査に落ちる可能性が高まります。
決算書の改善や、取引銀行との良好な関係構築など、自社の信用度を高める努力が大切です。
ファクタリングの審査に通りやすくなるポイント
ファクタリングの審査に通りやすくなるポイントを見ていきましょう。
譲渡禁止特約なしの債権で申し込む
売掛金に譲渡禁止特約が付されている場合は、ファクタリングの対象外です。債権譲渡が可能な売掛金を選んで申し込みましょう。
契約書や注文書を確認し、譲渡禁止特約の有無を事前に確認しておくことをおすすめします。
売掛先からの入金までの期間が短い債権で申し込む
支払期日が、3ヶ月以内に設定された売掛金を優先的に選んで申し込みましょう。審査通過の確率が高まります。
信用度の高い債権で申し込む
大手企業などの信用度の高い債権は審査が通りやすくなります。支払能力が高く、債務不履行のリスクが低いとみなされるためです。
複数の売掛金を保有している場合は、売掛先の信用度を考慮して申込対象を選択するとよいでしょう。
審査なしのファクタリング業者は存在するか
審査なしのファクタリング業者は存在しません。ファクタリングは金融取引の一種であり、リスク管理の観点から、一定の審査は必須です。
審査を行わない業者は、法令順守の意識が低い可能性があります。
「審査なし」や「100%審査に通る」などを謳っている業者を利用すると、不透明な契約条件や高額な手数料を課される危険性があります。
適切な審査を行う信頼できる業者を選ぶことが重要です。
審査が甘いファクタリング業者
審査が甘いファクタリング業者を選ぶことは、リスクが伴います。どんな特徴があるのか見ていきましょう。
審査が甘い業者の特徴
審査項目や基準が公開されていない業者は要注意です。即日審査・即日入金を強調しているところは、スピードを重視するあまり、形だけの審査になっている可能性があります。
審査が甘い業者を選ぶリスク
審査が甘い業者を選んでしまうと、不透明な契約条件に巻き込まれる可能性があります。審査が甘い分、不利な条件が課されたり、予想以上の高コストになる危険性があります。
手数料を高くしているケースもあるため要注意です。
適切な審査を行う業者の選び方
業界での評判や実績がある業者が望ましいです。長年の実績は信頼性の裏付けとなります。
実際の利用者の評価は業者選びの重要な判断材料になります。利用者の声や口コミも参考にしてください。
まとめ
ファクタリングの審査には基準があり、審査落ちの理由もさまざまです。売掛先の信用度や支払期日、自社の経営状態など、様々な要因が審査結果に影響を与えます。
審査に通りやすくするためには、信用度の高い債権で申し込むなどの対策が有効です。また、信頼できる業者を選ぶとよいでしょう。
審査に落ちる理由を理解し、適切な対策を講じることが大切です。ファクタリングを効果的に活用し、資金繰りの改善につなげましょう。